その6


 〜無門関より〜

 若き日の徳山和尚が、金剛経の注釈を持って行脚していた。

 ある時、軽食(点心)を求めて立ち寄った店の老婆に訊ねられた。

 「そのお経は、『過去心不可得、現在心不可得、未来心不可得』と教えています。あなた様は、どの心を点じようとしているんですか?」

 
 このエピソードをきっかけに、徳山は竜潭和尚の弟子になりました。
  

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